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健康診断「異常なし」でも要注意!?健康診断の数値が表すものとは

川島宏子 川島宏子

こんにちは。AOKISM(アオキイズム)編集部の川島です。健康診断の結果って、見てもよく分からないと思ったことはありませんか?健康診断を受けた後しばらくして数字が列挙されている結果表を受け取り、口頭では説明を受けないケースが大半なので、異常がなかった場合は一読して「なんとなく大丈夫かな?」と思って終わりという方も多いのではないでしょうか。でも、異常なしでも生活を改善するなど、注意した方が良いケースもあるんです!
今回は、健康診断の結果の見方と活かし方についてご紹介したいと思います。ぜひご一読ください。

目次

健康診断ではどんなことが分かるのか

労働安全衛生法第66条1項において、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。」と規定されています。そのため、企業で就業されている皆さんは毎年健康診断を受けていらっしゃるのではないでしょうか。

この健康診断では、診断項目も規定されており、以下の内容について検査が行われます。
1. 既往歴および業務歴の調査
2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3. 身長(※)、体重、腹囲(※)、視力及び聴力の検査
4. 胸部エックス線検査(※)及び喀痰検査(※):呼吸器疾患の検査
5. 血圧の測定:高血圧、低血圧の検査
6. 貧血検査(血色素量及び赤血球数)(※):貧血、多血症等の検査
7. 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)(※):肝炎・アルコール性肝障害等の肝疾患の検査
8. 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)(※):高脂血症の検査
9. 血糖検査(※):糖尿病の検査
10. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査):腎・尿路系・糖尿病の検査
11. 心電図検査(※):不整脈・心肥大・冠硬化・心筋障害・心筋梗塞等の検査
(※)は条件によって省略が可能なものです

上記のとおり省略が可能なものもあったりするため、細かい項目は受ける施設などによって異なりますが、概ねこのような内容の検査を皆さん受けていらっしゃることと思います。
項目を見てお気づきになったかもしれませんが、生活習慣病などの検査項目が多く、それらの早期発見、早期治療に役立てることができます。生活習慣病は、悪化するまで自覚症状がないものも多いため、定期的な健康診断で見つけることがとても大切なのです。

健康診断の数値の見方

それでは、健康診断結果の見方を一つ一つ細かく見ていきましょう。ぜひ、これまでの健康診断結果をお手元にご用意いただき、ご確認くださいね。

身体測定

BMI値

身長に見合った体重かどうか判定する数値。体重÷身長(m)÷身長(m)で算出される。
要注意 18.4以下(低体重)/ 基準範囲 18.5~24.9 / 要注意 25.0以上(肥満)

腹囲

メタボリックシンドロームを判定するための基本。
男性:基準範囲 84.9以下 / 異常 85.0以上  女性:基準範囲 89.9以下 / 異常 90.0以上

血圧測定

心臓のポンプ機能が正常に働いているか、また高血圧・低血圧かを判断する。

収縮期血圧

基準範囲 129以下 / 要注意 130~159 / 異常 160以上

拡張期血圧

基準範囲 84以下 / 要注意 85~99 / 異常 100以上

視力検査

眼の病気がないのに裸眼視力が 0.7 未満の場合は近視・乱視が疑われる。

視力

基準範囲 1.0以上 / 要注意 0.7~0.9 / 異常 0.6以下

聴力検査

低音と高音の両者が聞こえるかを調べる。大きくないと聞こえない場合は難聴や中耳炎などが疑われる。

聴力:1000Hz(低い音)

基準範囲 30dB(デシベル)以下 / 要注意 35dB / 異常 40dB以上

聴力:4000Hz(高い音)

基準範囲 30dB(デシベル)以下 / 要注意 35dB / 異常 40dB以上

血液検査

<肝臓系>総たんぱく

数値が低い場合は栄養障害、ネフローゼ症候群、がんなど、高い場合は多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水などが疑われる。
異常 5.9以下 / 要注意 6.0~6.4 / 基準範囲 6.5~8.0 / 要注意 8.1~9.0 / 異常 9.1以上

<肝臓系>アルブミン

血液蛋白のうちで最も多く含まれるのがアルブミン。数値が低い場合は、肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群などが疑われる。
基準範囲 4.0以上 / 要注意 3.6~3.9 / 異常 3.5以下

<肝臓系>AST(GOT)とALT(GPT)

AST(GOT)は、心臓、筋肉、肝臓に多く存在する酵素、ALT(GPT)は肝臓に多く存在する酵素。数値が高い場合は急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などが疑われ、AST(GOT)のみが高い場合は心筋梗塞、筋肉疾患などが疑われる。
AST(GOT):基準範囲 30以下 / 要注意 31~50 / 異常 51以上
ALT(GPT):基準範囲 30以下 / 要注意 31~50 / 異常 51以上

<肝臓系>γ-GTP

肝臓や胆道に異常があると数値が上昇する。数値が高い場合は、アルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害が疑われる。
基準範囲 50以下 / 要注意 51~100 / 異常 101以上

<肝臓系>ALP(アルカリホスファターゼ)

数値が高いと、胆道系の病気のほか、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、骨の病気などが疑われる。検査前に脂肪の多い食事を摂ると検査値が高くなることがある。
基準範囲 100~350

<腎臓系>クレアチニン(Cr)

数値が高いと、腎臓機能の低下が疑われる。
男性:基準範囲 1.00以下 / 要注意 1.01-1.29 / 異常 1.30以上
女性:基準範囲 0.70以下 / 要注意 0.71-0.99 / 異常 1.00以上

尿酸(UA)

高い数値の場合は、高尿酸血症といいます。高い状態が続くと、結晶として関節に蓄積され、突然関節痛を起こします(痛風発作)。また、尿路結石も作られやすくなります。
要注意 2.0以下 / 基準範囲 2.1~7.0 / 要注意 7.1~8.9 / 異常 9.0以上

<脂質系>総コレステロール(TC)

数値が高いと、動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高脂質異常症などが疑われる。低い場合は、栄養吸収障害、低βリポたんぱく血症、肝硬変などが疑われる。
要注意 139以下 / 基準範囲 140~199 / 要注意 200~259 / 異常 260以上

<脂質系>HDLコレステロール

善玉コレステロールと呼ばれるもので、数値が低いと、脂質代謝異常、動脈硬化が疑われる。
異常 29 / 要注意 30~39 / 基準範囲 40~119 / 異常 120以上

<脂質系>LDLコレステロール

悪玉コレステロールと呼ばれるもので、数値が高いと血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性が高まる。
要注意 59以下 / 基準範囲 60~119 / 要注意 120~179 / 異常 180以上

<脂質系>中性脂肪(TG トリグリセリド)

糖質がエネルギーとして脂肪に変化したもの。数値が高いと動脈硬化を進行させ、低いと低βリポたんぱく血症、低栄養などが疑われる。
要注意 29以下 / 基準範囲 30~149 / 要注意 150~399 / 異常 400以上

<糖代謝系>血糖値(FPG)

ブドウ糖がエネルギー源として適切に利用されているかがわかる。数値が高い場合は、糖尿病、膵臓癌、ホルモン異常が疑われる。
基準範囲 99以下 / 要注意 100-125 / 異常 126以上

<糖代謝系>HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

過去 1~2ヶ月の血糖の平均的な状態を反映するため、糖尿病のコントロールの状態がわかる。血糖値とHbA1cが異常値だった場合は糖尿病と判断される。
基準範囲 5.1以下 / 要注意 5.2~6.0 / 異常 6.1以上

<血球系>赤血球(RBC)

赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っている。多い場合は多血症、少ない場合は貧血が疑われる。
男性:異常 359以下 / 要注意 360-399 / 基準範囲 400-539 / 要注意 540-599 / 異常 600以上
女性:異常 329以下 / 要注意 330-359 / 基準範囲 360-489 / 要注意 490-549 / 異常 550以上

<血球系>血色素(Hb ヘモグロビン)

赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役。減少している場合、鉄欠乏症貧血などが疑われる。
男性:異常 11.9以下 / 要注意 12.0-13.0 / 基準範囲 13.1-16.6 / 要注意 16.7-17.9 / 異常 18.0以上
女性:異常 10.9以下 / 要注意 11.0-12.0 / 基準範囲 12.1-14.6 / 要注意 14.7-15.9 / 異常 16.0以上

<血球系>ヘマトクリット(Ht)

血液全体に占める赤血球の割合のこと。数値が低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われ、高ければ多血症、脱水などが疑われる。
男性:異常 35.3以下 / 要注意 35.4-38.4 / 基準範囲 38.5-48.9 / 要注意 49.0-50.9 / 異常 51.0以上
女性:異常 32.3以下 / 要注意 32.4-35.4 / 基準範囲 35.5-43.9 / 要注意 44.0-47.9 / 異常 48.0以上

<血球系>MCV・MCH・MCHC

MCVは赤血球の体積を、MCHは赤血球に含まれる血色素量を、MCHCは赤血球体積に対する血色素量の割合を示す。
MCVの数値が高いと、ビタミン B12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、過剰飲酒が疑われ、低いと、鉄欠乏性貧血、慢性炎症にともなう貧血が疑われる。

<血球系>血小板数(PLT)

血小板は出血部位に粘着して出血を止める役割を果たす。数値が高い場合は血小板血症、鉄欠乏性貧血などが疑われ、低い場合は再生不良性貧血などの骨髄での生産の低下、特発性血小板減少性紫斑病などの体の組織での亢進、肝硬変などが考えられる。
異常 9.9以下 / 要注意 10.0~12.9 / 基準範囲 13.0~34.9 / 要注意 35.0~39.9 / 異常 40.0以上

尿検査

異常が認められれば、糖尿病が疑われる。
基準値 陰性(-) / 再検査 (±) (+) / 異常 (2+以上)

蛋白

腎臓の傷害により尿たんぱくが増える。腎炎、糖尿病性腎症などが疑われる。
基準値 陰性(-) / 再検査 (±) (+) / 異常 (2+以上)

潜血

異常が認められれば、腎臓や尿管、膀胱などの病気が疑われる。ただし、疲労などによって一時的に尿潜血が出ていることも考えられるため、診断を確定させるためには複数回の検査が必要。
基準値 陰性(-) / 再検査 (±) (+) / 異常 (2+以上)

便潜血

陽性(+)の場合は、消化管の出血性の病気、大腸ポリープ、大腸がん、痔などが疑われる。
異常なし 2回とも(-) / 異常 1回でも(+)

健康診断の活用方法

健康診断の結果の見方について細かくご紹介しましたが、これらをどう捉え、活かしていったら良いのでしょうか。その活用方法について最後に触れたいと思います。

経年変化をチェックする

健康診断の結果に異常がなければ心配はいらないのでしょうか。答えはNOです。経年変化を見て、数値が悪化していたら注意が必要なのです。少なくとも、過去3年間の結果は把握しておくと良いそうです。基準範囲内でも数値が悪化してきている場合、そのままの生活を送っていると3年程度で基準範囲を超える可能性が高いという医師もいます。経年変化を見て、数値が悪化してきていれば生活習慣を改善することで、未病(病気に進行しつつある状態)対策や発病予防につながるのです。経年変化を確認しておきたい項目は以下の11点です。改めて、過去数年分を見返してみましょう。
身体測定:①体重 ②BMI
血圧:③収縮期血圧 ④拡張期血圧
脂質代謝:⑤総コレステロール ⑥HDLコレステロール ⑦LDLコレステロール ⑧中性脂肪
糖代謝:⑨空腹時血糖 ⑩HbA1c
腎機能:⑪尿たんぱく

複数の検査項目をあわせて確認する

例えば、メタボリックシンドロームの診断基準は以下の通りとなっています。
腹囲:男性 85cm以上、女性 90cm以上、且つ以下のうち2つ以上当てはまる場合
中性脂肪:150以上、HDLコレステロール:40未満 のいずれかまたは両方
収縮期血圧:130以上、拡張期血圧85以上 のいずれかまたは両方
空腹時血糖:110以上
このように、複数の検査項目の結果から診断が出るものもあります。他にも、動脈硬化リスクを高める因子としては、高血圧、血糖、LDLコレステロール、HDLコレステロール、尿酸、内臓脂肪(腹囲)などがあります。1つの検査項目ばかりチェックするのではなく、総合的にチェックするようにしましょう。

要精密検査の場合は必ず二次検査を受ける

要精密検査という結果が出た場合は、重大な病気が隠れている可能性があり、一方で一度の検査で白黒はっきりつけられないものも多いため病気ではない可能性もあります。もし前者の場合は早く対処するに越したことはないので、必ず早めに二次検査を受けるようにしましょう。結果が出たあと、これが何よりも大切なことです。

人間ドックの受診やオプション検査の利用も検討する

定期健康診断では検査項目が限られている場合も多くあります。生活習慣病検診とがん検診の両方がある程度幅広くカバーされている人間ドックなどの利用も検討してみましょう。


いかがでしたでしょうか?健康であればこそ、仕事や趣味に力を注ぐことができます。だからこそ、健康は自分で管理するという意識がとても大切ですよね。そのためにもまず、健康診断結果をしっかりと確認し、経年変化も見ながら生活習慣を見直していくことが重要だと思います。今一度、これまでの健康診断の結果をぜひ振り返り、数値が変化してきている項目があればその原因は何かを考えてみましょう。そして、いまよりもっと健康的な生活を送りたいですね!

出典
厚生労働省ホームページ
日経電子版「検診結果のチェック方法」
一般社団法人日本健康倶楽部ホームページ
総合健診センターヘルスチェックホームページ
一般財団法人地域社会ライフプラン協会 情報誌「ALPS」

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川島宏子

川島宏子

国立音楽大学(ピアノ)卒、グロービス経営大学院卒。
よくこの経歴について「なぜ?」と問われますが、良くも悪くもやるからには中途半端にできない性格で、ピアノを始めれば音大に行き、より広い世界を知りたいと会社に入ればビジネススクールに行き…と、思うままに進んできた結果です。2013年に入社して以来新規事業に携わらせていただき、産休育休を挟んで復帰したばかり。また始まったチャレンジングな日々にワクワクしています。
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