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年収を上げたければ睡眠時間を増やすべし!?(前編)

川島宏子 川島宏子

こんにちは!AOKISM(アオキイズム)編集部の川島です!
地域によりますが、いよいよ梅雨の到来ですね。梅雨時期になると、寝苦しく感じる人も多いかもしれません。多くの方が感じたことのある「睡眠不足」、それが続くと脳の働きが衰えたり、様々な病気のリスクが高まったりしてしまうことがわかっています。もしかしたら、睡眠不足を解消すれば脳が活発に働いて生産性が上がり、年収もアップするかも!?今回は、そんな「睡眠不足」について2回に分けてご紹介します。


不眠大国ニッポン

2014年にOECD(経済開発協力機構)が行った国際比較調査で、各国の15~64歳までの男女の睡眠時間を比較すると、世界主要国29カ国の中で韓国に次いで2番目に短いということが分かりました。もっとも長い南アフリカと比べると、1時間30分以上も短いことが分かります。

また、厚生労働省による国民健康・栄養調査の結果では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人が増加していることが示されています。さらに年代別に見ると、働き盛りの40~50代は、6時間未満の睡眠時間の人が半数近くに達していることも分かります。


日本人の平均睡眠時間が他国と比較してここまで短くなっている要因として、24時間営業の店舗の増加、パソコン・スマートフォンの普及による生活の夜型化のほか、日本人の睡眠に対する意識の低さが挙げられています。海外では子どもから高齢者まで対象別に睡眠教育が行われていることも珍しくないものの、日本では幼稚園から大学までどの段階を見ても系統的な睡眠教育が行われておらず、睡眠という分野において海外から大きく遅れをとっています。
そして、まだ一部では「長時間働けば働くほど仕事量をこなせる=成果を上げる」と信じ、睡眠時間を削って働いている人もいるのではないでしょうか。もし、これを読んでいるあなたがそれに当てはまる場合は、ぜひこの先をお読みいただき、睡眠時間をしっかり確保していただきたいと思います。


睡眠不足で年収が下がるかも!?そして健康への影響や経済効果は?

「睡眠負債」という言葉をご存じでしょうか。いわゆる「睡眠不足」というと、1日3時間睡眠などの極端な短時間睡眠を想像する人が多いのではないかと思います。ところが、1日6時間程度眠り、自分は睡眠には問題がないと思っていても、わずかに睡眠時間が足らず、その日々が続くことで睡眠不足の影響がまるで借金(負債)のように蓄積してしまうことが分かってきました。それを「睡眠負債」と呼ぶのです。
睡眠負債がたまっていると、自分では気づかないうちに仕事のパフォーマンスが低下したり、命に関わるような病気にかかるリスクが高まってしまったりします。

脳の働きの低下
米ペンシルバニア大学などの研究チームが行った実験で、研究者たちは、被験者を徹夜のグループと、睡眠時間6時間のグループに分け、注意力や集中力がどう変化するのかを調べました。


横軸が実験開始からの時間を示し、縦軸は、注意力や集中力を調べるテストの反応速度を表しています。
まず徹夜のグループを見ると、成績が急激に下降しています。脳の働きが急激に衰えているのです。一方、6時間睡眠のグループでは、徐々に脳の働きが低下していきました。そして、2週間後には、徹夜グループの2晩経過後とほぼ同じレベルになってしまったのです。つまり、「6時間睡眠を2週間続けた脳は、2晩徹夜したのとほぼ同じ状態」ともいえるのです。
さらに注目すべきは、6時間睡眠のグループが、脳の働きの衰えを必ずしも自覚していなかったという点です。徹夜した場合と比べ、わずかな睡眠不足がじわじわ蓄積した場合、なかなかその影響について自覚できないのです。
このように、6時間程度の、わずかに睡眠不足といえる状態を続けている人は、知らず知らずのうちに仕事のパフォーマンスを落としている可能性があります。しっかり眠ることで、仕事のパフォーマンスを上げ、成果を発揮できる(そして年収もあがる!?)ということもあるかもしれませんね。

健康への影響
最近の研究で、睡眠負債は脳の働きの低下にとどまらず、さまざまな病のリスクを高めていることがわかってきました。特に、睡眠とがんの関係です。2014年に米シカゴ大学が行った研究では、実験的にマウスを睡眠不足にさせると、がん細胞が増殖しやすくなることがわかりました。本来ならがん細胞を攻撃するはずの免疫細胞が、睡眠不足の場合、がん細胞の増殖を手助けするようになる可能性が見えてきたといいます。この研究はあくまでマウスでの実験ですが、東北大学が、女性およそ2万3995人を7年間追跡し、睡眠時間と乳がんの発症リスクの関係を調べた研究においても、平均睡眠時間が6時間以下の人は、7時間寝ている人に対して乳がんのリスクがおよそ1.6倍になることがわかっています。
また、睡眠負債と認知症との関連についても調査が進められています。スタンフォード大学の西野精治氏(睡眠生体リズム研究所長)らは、マウスを使った実験で、睡眠中にアミロイドベータと呼ばれる脳のごみが排出されることを突き止めました。アミロイドベータは、認知症の最大の原因であるアルツハイマー病の原因物質とも言われており、発症の20~30年前から蓄積するといわれています。つまり、働き盛りの時期に十分な睡眠をとっていないと、数十年先に認知症になるリスクを高める可能性があるのです。

睡眠不足による経済効果
米国に本部を置く世界的シンクタンク「ランド研究所」によると、睡眠が十分にとれていないことに起因する「働き手が病気で減る」「仕事のパフォーマンスが落ちる」などといった影響が、GDP比で最も深刻とされたのはなんと日本だったのです。GDP比2.92%が、睡眠不足により損失されているという結果になっており、それは金額で言うと最大で年間1380億ドル、約15兆円にまで上ると試算されています。睡眠時間を削ってまで一生懸命働いているはずが、実は睡眠不足が大きな損失にもつながっているという皮肉な結果が垣間見えてしまいますね。


終わりに

いかがでしたか?睡眠不足による経済損失が15兆円かもしれない、というのは私も非常に驚きました。一人一人の睡眠不足の解消が、この国の経済を豊かにするかもしれないのです…!
次回の後編は、より良い睡眠のためにすべきこと等をご紹介する予定です。公開は、6月下旬を予定しています。ぜひまたお読みくださいね。

※出典
厚生労働省 国民健康・栄養調査
日本睡眠科学研究所(東京西川)ホームページ
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構ホームページ
NHKスペシャル「睡眠負債が危ない」番組紹介ページ

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川島宏子

川島宏子

国立音楽大学(ピアノ)卒、グロービス経営大学院卒。
よくこの経歴について「なぜ?」と問われますが、良くも悪くもやるからには中途半端にできない性格で、ピアノを始めれば音大に行き、より広い世界を知りたいと会社に入ればビジネススクールに行き…と、思うままに進んできた結果です。2013年に入社して以来新規事業に携わらせていただき、産休育休を挟んで復帰したばかり。また始まったチャレンジングな日々にワクワクしています。
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