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脳の衰えは年齢のせいなのか?

好宮聖子 好宮聖子

こんにちは、管理栄養士の好宮です。
「あれ?あの漢字なんて書くんだっけ・・・?」「あの名前がどうしても出てこない・・・!」

『年齢のせいかなあ・・・』

ちょっと待ってください、本当に年齢のせいなのでしょうか?

今回は、脳の衰えと加齢との関係についてご紹介します。

目次

  • 実は、年齢ごとに知能のピークは異なっていた・・・!?
  • でも、物忘れが多い・・・それは衰えでなく「疲れ」?
  • 気を付けて・・・脳を衰えさせる生活習慣
  • 脳機能に良い栄養成分とは
  • まとめ

実は、年齢ごとに知能のピークは異なっていた・・・!?

一般的に、脳や知能の衰えは加齢とともに進むと認識されています。
しかしその一般論を覆す、「人は70代になっても学び続けることができる」ことを示す興味深い研究成果が発表されたと、2015年にウォール・ストリート・ジャーナルが報じているのをご存じでしょうか。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、マサチューセッツ工科大学の博士研究員ジョシュア・ハーツホーン氏が、米心理学専門誌「サイコロジカル・サイエンス」で「成人の知能に関する研究」を発表し、「人は年齢と共に鈍る面もあるが、一層賢くなっている面もある」ことを発表しているとのことなのです。

私たちは、20代初めから徐々に身体能力が衰え始めると言われています。

ハーツホーン氏は、「こうした身体能力の変化は、『知能』にも当てはまるのか」に着目し、過去の知能検査の結果や、さまざまな調査を重ねました。
その結果、情報処理能力や記憶力は、10代後半にピークを迎えますが、新しい名前を覚えるのには20代前半が最適であることが分かりました。
さらに、新しい顔を覚える能力は平均して30歳になった直後にピークに達するそうです。

また、これらとは別に2015年、ハーバード大学とBoston Attention and Learning Laboratoryの研究者らが行った研究によると、集中力は年齢とともに向上し、43歳前後にピークを迎えることが分かっています。

このように、今まで「加齢とともに衰える」と認識されていた脳機能や知能は年齢ごとに能力のピークが異なり、単純に衰えるとは言い切れないことが分かったのです。

でも、物忘れが多い・・・それは衰えでなく『疲れ』?

しかし、こういった前向きな研究結果が3年も前に発表されているにも関わらず「最近物忘れが酷くて・・・」という働き盛りの皆さまの呟きは未だにあちらこちらで聞かれます。

なぜなのでしょう。

実は、その原因は「加齢」ではなく『脳の疲れ』にあるかもしれないのです。

最近、医学の分野で、『脳過労』という言葉に注目が集まっています。
この『脳過労』に関して、先日、日本放送の「ひでたけのやじうま好奇心」というラジオ番組で特集した内容の記事を見つけました。

こちらの内容を抜粋すると、
『脳過労』とは、「脳が疲労して疲れがたまっている状態」のことで、その最初に出てくる症状が「物忘れ」ということなのです。

なぜ「過労」で「物忘れ」が起こるのか・・・
それは脳に情報を入れるインプット(入力)と、それを処理して行動するアウトプット(出力)のバランスがとれないため・・・。
現代人はインプットが過剰になる生活を送っている傾向にあり、そういった生活が脳を消化不良を起こしたような状態にさせるそうなのです。
その結果、感情に関わるセロトニンや、記憶に関わるアセチルコリンなどの神経伝達物質の動きが低下してしまい、脳内のネットワークの繋がりも悪くなるとのこと・・・。

たしかに、私自身も仕事の日だけでなく休日もスマホでSNSをチェックしたりゲームをしたりで、脳に情報を入れてばかりだったなと反省させられました。

気を付けて・・・脳を衰えさせる生活習慣

ここまで読んだところで、「そうか自分の物忘れの原因は脳の疲れだったのか」とホッとされた方も多いでしょう。

しかし、脳の衰えを進めてしまう要注意な生活習慣もあるようです!

昨年放送された「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京)で、認知症について特集されていました。
その時にまず紹介されていたのが、脳の衰えを進めてしまう危険な生活習慣チェックです。
下記の項目にいくつ当てはまるか、よければ確認してみてください。

□睡眠が上手くとれていないと感じる
□運動不足である
□タバコを吸っている
□お酒を飲みすぎてしまうことがある
□野菜をあまり食べない
□虫歯や歯周病など歯に問題がある
□高血圧の傾向がある
□糖尿病の傾向がある
□1人暮らしで近所づきあいがない
□ストレスが多いと感じる

チェックした項目が3個以上の人は生活習慣を改善しないと将来認知症になる可能性があり、注意が必要です。
6個以上の人は将来認知症になる可能性が高く、直ちに生活習慣を改めなければいけないそうです。

脳機能によい栄養成分とは

先ほどのチェック項目、いくつあてはまりましたでしょうか?

毎日絶え間なく働いてくれている脳・・・いたわることもやはり大事です。
最後に、脳機能に良いとされている栄養成分をいくつかご紹介させていただきます。

・DHA
DHAは私たちの体に必須の脂肪酸(油を構成するモト)です。体内ではほとんど合成されないため、食事を通じて摂取する必要があります。
脳機能の改善や神経系の発達に対して良い影響を与えるといわれており、例えば乳幼児用の粉ミルクに配合される等の応用がなされています。
しかし酸化しやすく、体内に入ると酸化が進んで本来の効果を発揮しづらいという弱点があります。そのため、サプリメントで補ったり、カロテノイドやポリフェノール、ビタミン類といった抗酸化成分と一緒に摂ることがオススメです。

・EPA
EPAは血栓や高脂血症を予防すると言われています。その結果、世界中の医学者によって研究され、動脈硬化や脳梗塞を予防する働きがあることも分かっています。

・レシチン
レシチンの構成要素のひとつであるコリンは、体内で吸収されると脳まで届き、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンをつくる材料になります。レシチンの一種であるホスファチジルコリンは、血液脳関門を通り抜けて脳細胞に到達し、記憶や認識の機能、筋肉の動きのコントロールなど様々な生化学的なやりとりをサポートしています。

・ミネラル(カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄)
ミネラルはそれぞれのメカニズムは異なりますが、神経物質の伝達に寄与しているため、脳機能に大きく関係しています。そのためミネラルが不足すると、神経伝達物質がうまくコントロールできず、感情が不安定になったり、うつ状態になる可能性があります。

・イチョウ葉エキス
イチョウ葉エキスは、アルツハイマー型認知症に対しての予防効果を持つと考えられています。
また、血流改善の作用があると言われていて、脳血管性認知症(脳梗塞や脳出血など、脳内の血管障害によって発症する病気)の予防効果にもつながるといわれています。
イチョウ葉エキスは通常の食事では摂ることができません。サプリメントなどで摂取するのが一般的です。

まとめ

・一般的に「加齢とともに衰える」と認識されていた脳機能や知能は、年齢ごとに能力のピークが異なり、単純に衰えるとは言い切れないことが最新の研究で分かってきた。
・脳機能の衰えが原因で起こっていると思っていたものが、実は「脳の疲れ」が原因で起こっていることがある。脳の疲れは、毎日休みなくスマホでSNSをチェックしたりゲームをしたりと、脳に情報を入れてばかりの生活が原因であることが多い。
・脳の機能を衰えさせる生活習慣として、『睡眠の質が悪い、運動不足、喫煙、飲酒、野菜不足、口腔内の不衛生、高血圧や糖尿病、コミュニケーション不足、ストレス』がある。
・脳機能によい成分としては『DHA、EPA、レシチン、ミネラル、イチョウ葉エキス』などがある。成分によっては食事から摂取することが難しく、サプリメントで摂取するのがオススメ。

いかがでしたでしょうか。
私自身、先日、とある漢字がどうしても出てこず「ついに年齢による衰えか・・・」と焦りました。
しかしよくよく思い返してみると、脳の使い過ぎもあったように思います。
脳も含め、生涯付き合っていく自身の身体ですから、時には緩めて休ませてあげないとなと、今回思いました。

皆さまも、時々は身体の声に耳を傾けて、健やかな毎日をお過ごしください。

参考
ウォール・ストリート・ジャーナルhttps://jp.wsj.com/articles/SB12433432845575373546004581147112630851024
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好宮聖子

好宮聖子

管理栄養士。幼少の頃から食べることが好きで、いつからか食べるものや栄養に興味を持ち始める。大学で管理栄養士専攻に進み、「今日食べた物が10年後20年後の自分を作る」こと、「健康づくりは健康なうちからおこなわないといけない」ことを確信。食品の研究開発、スポーツジムでの栄養カウンセラーを経て、健康関連の新規事業立ち上げに携わるためAOKIグループへ入社。
道行く人誰にでも声をかける、スーパー社交的な息子(母は笑顔で見守るしかない)と普段は大人しいが、構って欲しい時の声は誰よりも大きい娘を育てる2児の母。
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