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『夏バテにウナギ』は本当に効果があるのか?

好宮聖子 好宮聖子

こんにちは、管理栄養士の好宮です。

毎日暑いですね。「夏バテかなあ・・・」という呟きがどこからか聞こえてきそうです。
夏バテと言えば、「よし!ウナギでも食べに行くか!」なんて、昔から言われますよね。
でも、ちょっと待ってください。
どうして『夏バテにウナギ』なんでしょうか?

今回は、『夏バテにウナギ』は本当に効果があるのか、を検証したいと思います。

目次

  • そもそも「ウナギの旬は夏」ではない・・・!?
  • ではどうして土用の丑の日があるのか
  • 『夏バテにウナギ』は効果があるのか
  • おわりに

そもそも「ウナギの旬は夏」ではない・・・!?

タイトルを読まれて「え・・・!?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。
そうなんです。実は、ウナギの旬は夏ではないのです。

そもそも私たちが日ごろ、スーパーマーケットや魚屋さんなどで目にする国産ウナギは、そのほぼ全てが「養殖ウナギ」です。
養殖ウナギは一年中ビニールハウスで徹底した温度管理のもと育てられます。
そのため、季節による味の違いはあまりなく、旬があってないようなものなのです。

それでは、「天然ウナギ」だった場合はどうでしょうか?
昔から土用の丑の日には、ウナギを食べるという習慣がありますね。
それは「天然ウナギ」の旬が夏だから、そういった習慣が生まれたのでしょうか?

実は、残念ながらそうではないようで、天然ウナギの旬の時期は夏ではなく、10~12月の冬なのです。
天然ウナギが冬に旬を迎えるその理由は、冬を越すために脂肪をたくわえるため、身がやわらかくなるからだそうです。

つまり、ウナギの旬は養殖でも天然でも、ともに夏ではないのです。

ではどうして土用の丑の日があるのか

ではなぜ、旬でもないのに土用の丑の日に、ウナギを食べる習慣があるのでしょうか?

これには幕末の万能学者、平賀源内とウナギ屋のエピソードが大きく関わってくるようです。

“ある日、商売がうまく行かないウナギ屋が、夏に売れないウナギを何とか売るため、平賀源内の元に相談に来ました。
源内は、相談を聞いて、「本日丑の日」と書いて店先に貼ってはどうかとウナギ屋に提案しました。

すると、どうでしょう!

その提案通りにしたウナギ屋が大変繁盛しだしたのです!
その噂は広がり、次々に他のウナギ屋もそれを真似るようになりました。
そうしていつしか、土用の丑の日にウナギを食べる、という風習が定着しましたとさ・・・。“

ただ、厳密には「丑の日」と書かれた貼り紙が功を奏したかどうかは諸説あるそうで、定かではないようです。
一説によれば元々「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という風習があり、ウナギ以外にも瓜、梅干、うどん、うさぎ、馬肉(うま)、牛肉(うし)などを食する習慣があったとも言われているようです。

昔は、本来の旬が冬であるウナギは、夏場には味が落ちて脂っこくなり売れなかったと言われています。
「土用の丑の日」は、言わば、売れ行きを回復させるための販売戦略から生まれたと言っても過言ではないようです。

『夏バテにウナギ』は効果があるのか

では、昔の人の販売戦略から生まれた『夏バテにはウナギ』は効果はない、ということなのでしょうか。

実は、そうとも言い切れません。
なぜなら元々、ウナギは脂質が多く高エネルギーで、ビタミンAやビタミンB1などを豊富に含む栄養豊富な食材だからです。
夏場の暑い時期には、普段より体力を消耗しやすくなります。
その際、糖質をエネルギーに変換できるビタミンB1は必要不可欠な成分であり、そのビタミンB1を豊富に含むウナギは、夏バテに効果がある食材と言って良いと考えられます。

実際、ウナギを夏場に食べるようになったのは江戸時代からと言われていますが、かつては栄養不足、そしてカロリー不足により疲労を感じる人が多くいたため、「食べると元気になる」と非常に重宝がられたという一説もあります。
ですので、『夏バテにウナギ』は効果あり、と判定できると考えられます。

ただ、一つ残念なことに、現代では栄養不足以外の要因での夏バテが増えています。
例えば、室内外の温度差による自律神経の乱れ、冷たい物の食べ過ぎによる内臓の冷えなどが要因となって引き起こされるタイプのものです。
そういった夏バテの場合、ウナギのようなスタミナ食を食べるより、むしろ胃に負担をかけない消化の良いものを食べて、胃腸をいたわることが夏バテ解消の手助けとなります。

おわりに

今回の検証で、現代人のライフスタイルでは必ずしも『夏バテにウナギ』というわけでもないようです。
しかし、ウナギを食べる、というそれだけでなんだか活力が湧いてくるものですよね。
「病は気から」なんて言葉もありますので、ウナギのみならず美味しいもので元気をチャージしつつ、夏を乗り切りたいものです!

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好宮聖子

好宮聖子

管理栄養士。幼少の頃から食べることが好きで、いつからか食べるものや栄養に興味を持ち始める。大学で管理栄養士専攻に進み、「今日食べた物が10年後20年後の自分を作る」こと、「健康づくりは健康なうちからおこなわないといけない」ことを確信。食品の研究開発、スポーツジムでの栄養カウンセラーを経て、健康関連の新規事業立ち上げに携わるためAOKIグループへ入社。
道行く人誰にでも声をかける、スーパー社交的な息子(母は笑顔で見守るしかない)と普段は大人しいが、構って欲しい時の声は誰よりも大きい娘を育てる2児の母。
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