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体温の不思議と豆知識 ~体温を上手に活用しよう~

川島宏子 川島宏子

こんにちは。AOKISM(アオキイズム)編集部の川島です。大人である皆さんは、「あれ、熱っぽいかな?」と思った時にだけ体温を測るという方が多いと思います。私も以前はそうでした。しかし、子どもが生まれて、特に子どもの体温は必ず毎日測っています。毎日測り始めて気が付いたのは、「平熱がある」ということ(当たり前ですが…)、「1日の中では体温に変動がある」ということです。知っているようで知らない、体温の豆知識を今回は皆さんにお伝えできればと思います。ぜひお読みください!

体温の基礎知識

皆さまは、ご自身の平熱をご存じですか?そう、人によって平熱は違うのです。一般的な「発熱」とされる体温は、感染症法(正式名称:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)において37.5℃以上、「高熱」は38.0℃以上と定義されていますが、平熱に個人差があるのですから、例えば感染症法では「発熱」に該当しない37.0℃であっても、平熱が低い人であれば発熱の始まりである可能性があります。だから、自分の健康を把握する上で自分の「平熱」を知ることは大切なのです。ぜひ、日常的に検温をして平熱を確認してみてくださいね。
さて、感染症法において発熱は37.5℃以上と書きましたが、37.0℃が発熱の基準じゃないの?と思った方はいらっしゃいませんか?結論から言うと、37.0℃は発熱とは言えない場合が多いです。どうしてこのような「誤解」が生まれてしまったのかというと、昔の水銀体温計は37℃を示す数字が赤かったことで、このラインが発熱基準だと誤って認識してしまったことが発端。実際の日本人の平均体温を見てみると、10歳から50歳前後の健康な男女3,000人以上の体温の平均値は、36.89℃±0.34℃(ワキ下検温)で、同じ調査では全体の7割の人が36.6℃から37.2℃の間に入ったのです。37℃は、むしろ平熱の範囲である人が多いのが分かりますね。

日本人の体温分布(テルモ体温研究所より)

また、1日の中でも体温には変動があります。普通は1日のうちで早朝が最も低く、しだいに上がって夕方が最も高くなります。これを「概日リズム」と言います。1日の体温の差はほぼ1℃以内と言われています。このリズムがしっかりできていれば、活動的に1日を過ごすことができます。

(テルモ体温研究所より)

一方で高齢になると夜間の体温があまり下がらなくなり、そのことが眠りの浅さや不眠を招いたりします。また、高齢者は平熱自体が低くなったり、風邪をひいても熱があまり高くならなかったりします。それは、体温を調整する機能が低下してくるためで、熱が出たときには既に重症になっていることもあるのです。そして体温を調整する機能が低下するということは、熱中症や低体温症が起こりやすくなるということでもあります。ご自身が年齢を重ねたときはもちろん、身近にご高齢の方がいらっしゃる場合は顔色や行動に気を付けてあげる必要がありますね。

(テルモ体温研究所より)

体温調整機能が十分に働きにくいのは、高齢者だけでなく乳幼児も同様です。ですから、ご自身だけでなくご家族の平熱を知り、健康状態を把握するのはとても大切なことなのです。

正しい体温の測り方

それでは、正しい体温の測り方を見ていきましょう。

測るタイミング

起床時、午前、午後、夜の4回測ると、時間帯ごとの平熱を知ることができます。平熱の測定は、体調の良いときに、1日だけでなく、日をあけて何日間か測ってみるとよいでしょう。こんなに頻繁に測ることは難しいかもしれませんが、特に平熱を把握するときは実践してみると良いですね。ここまで頻繁に測ることができなくても、前述したように1日のうちで体温は1℃ちかく 上下しているので、同じ時間帯に測ることが大切です。
また、飲食や入浴、運動をした後および外出後の30分間は検温には適しませんので避けましょう。

測る場所

ワキ、耳、口など、検温できる場所は体温計によって様々ありますが、大切なのは「毎回同じ場所」で測ることです。ワキにはワキの、耳には耳の、口には口の平熱があります。毎回同じ場所で検温し、その変動を見るようにしましょう。

測る際の注意事項

汗をかいていると熱の伝導率が異なってしまい正しく検温できない可能性があるため、汗を拭いてから測りましょう。同様に、下着などに当たってしまうと正しく検温できない可能性があるため、下着に触れないようにしましょう。また、検温中は動かずじっとしているのが基本です。途中で体温計を取りだしたら、最初からやり直しましょう。

測り方

日本ではワキで測るタイプの体温計が多いので、ワキ式体温計での正しい測り方をご紹介します。

1. ワキの中心にあてる

2. 体温計を下から少し押し上げるようにして、わきをしっかりしめる。

(オムロンヘルスケア株式会社ホームページより)

平熱は高い方がいい vs 平熱は低い方がいい !?

「体温が上がると免疫力が上がる」というのを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。体温が下がると血流が悪くなり、免疫力も低下し、体内に異物を発見しても、素早く駆除してくれる白血球を集めにくくなり、ウイルスや細菌に負けて発病しやすくなる、という理由から、体温が高い方が良いとされている説があります。
一方で、米国立老化研究所(NIA)の研究によると、体温の低い人の方がわずかながら生存率は高くなるという結果が出ています。同様に、遺伝子操作で体温を低下させたマウスの寿命が延びたという研究結果も報告されている。体温が0.3~0.5度低下しただけで、寿命がオスで12%、メスで20%延びたそうです。高体温ということはつまり代謝が活発であり、同時に体に悪影響を与える活性酸素が大量に発生し、結果として老化を進めるからではないかと言われています。
寿命が延びるならば低体温の方が良い、と思ってしまいそうですが、必ずしもそうとは言えません。低体温では代謝が低下し、体も頭もうまく動かないため、QOLが大きく低下してしまうためです。
どちらが良い、とは一概に言えるものではありませんが、長寿のためには適度な運動と規則正しい生活をし、同時に過度な食事による肥満(肥満になると体温が上がりやすい)を防いで「体温を必要以上に上げすぎない」、というのが正しい選択かもしれません。

体温を上手に活用しよう!

入眠をスムーズにし、質の良い睡眠をとる工夫

夜は体温が下がることはご紹介した通りですが、眠りに入るとき、体は体温を下げようとします。
子どもを育てた経験のある方は、眠いときに赤ちゃんの手足が温かくなるのをご存じかと思います。これは手足の皮膚血管が開き、外界に熱を逃がすことで体の内部の温度を下げようとしているためです。そのようにして体全体の代謝を下げ、これに引き続いて脳温も下がって眠りに入るのです。
もちろん、体はこのように自分で体温を下げようとしてくれますが、ちょっとした工夫で更に入眠がスムーズになります。それは、寝る前に入浴したり、夕方に運動したりすることです。これらによって一度体が温まって末梢血管が拡張し、手足の表面からの熱放散が増え、体の内部の温度が低下しやすくなるためと考えられます。
また、体温が低い方が質の良い睡眠が取れるので、電気毛布などは要注意です。布団内の温度が上がりすぎると夜中に覚醒しやすくなってしまうので、タイマーで加熱を切るか、最も弱くする等使い方を工夫しましょう。暖房も同様に、強く効かせて眠ることは避けましょう。

朝食をしっかり食べてテストの点を上げる!?

以下のような面白い実験を見つけました。

アメリカで行われた実験ですが、20歳代の男女について、朝食を食べた人と、食べていない人の間で、テストの成績を比較しました。朝食はすべて同じ栄養スープを用い、37.7グラムの糖質、12.2グラムの脂質、18.5グラムの蛋白質を含み、熱量は326キロカロリーでした。テストは「空間記憶」と「単語想起」の2種類でした。結果は、両方とも朝食を食べたほうが短時間で答えを出し、圧勝しました。空間記憶のテストとは、りんごやイヌなど16種類の図を配置した絵を見せて、あとで位置関係を思い出させるテストです。単語想起のテストは、15個の単語を2秒おきに読み上げ、あとで思い出させるものです。日本でも朝食とテストの結果に関する報告はありますが、やはり朝食を食べているほうが成績が良くなっています。

(テルモ体温研究所より)

朝食を摂ることで体温が上がり、脳が活性化するためであると紹介されています。食事だけでなく、運動も朝行うと、更に脳が活性化して良いようです。
また、朝の体温を上げるためには、早寝早起き(朝型の生活)も欠かせません。早寝早起きで概日リズムを整えることで、午前中から頭をフル回転させることが出来るのです。「テスト」と書きましたが、試験などがある場合だけでなく、午前中から仕事で高いパフォーマンスを発揮するためにも、朝食をしっかり食べて午前中の体温を上げ、朝から活動的に生活することが大切なのですね。


いかがでしたでしょうか。自分の平熱を知って体調管理に役立てるだけでなく、体温を上手にコントロールして日々の健やかな生活に役立ててくださいね!

 

 

※出典
テルモ体温研究所(ホームページ)
オムロンホームページ
時事メディカルホームページ
朝日新聞デジタルホームページ

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川島宏子

川島宏子

国立音楽大学(ピアノ)卒、グロービス経営大学院卒。
よくこの経歴について「なぜ?」と問われますが、良くも悪くもやるからには中途半端にできない性格で、ピアノを始めれば音大に行き、より広い世界を知りたいと会社に入ればビジネススクールに行き…と、思うままに進んできた結果です。2013年に入社して以来新規事業に携わらせていただき、産休育休を挟んで復帰したばかり。また始まったチャレンジングな日々にワクワクしています。
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